掛け軸でよく使われるいくつかの形式

掛け軸でよく使われるいくつかの形式

掛け軸にはさまざまな形式があります。その中でもよく使われるいくつかの形式について紹介します。まず「縦長」は、一般的な形式の一つです。縦に長い軸に絵や文字を描き、上部には額縁をつけて壁に掛けるスタイルです。この形式は風景や詩、書道作品などがよく使われます。縦に長いスペースを有効活用できるため、情緒豊かな表現が可能です。 次に「横長」も一般的です。縦長とは逆に、横に広い軸に絵や文字を描くスタイルです。主に風景や横書きの詩が選ばれます。横のスペースを使って、広がりのある表現をすることが特徴です。 また「連作」もよく見られます。これは、一つのテーマや物語を複数の軸に分けて描くスタイルです。部屋の中で複数の掛け軸を組み合わせて飾ることで、全体の雰囲気を楽しむことができます。さらに「掛軸のセット」も一般的な形式です。一つの掛け軸に書体と絵を組み合わせたもので、文字は詩や格言、絵は風景や花鳥などが描かれます。文字と絵が調和した美しいデザインが特徴です。 以上のように、掛け軸には様々な形式があり、それぞれが独自の魅力を持っています。用途や好みに合わせて選ぶことで、部屋の雰囲気やインテリアに素敵なアクセントを加えることができます。

掛け軸の名称と、掛ける際の正しい順番とは

掛け軸は日本の伝統的な美術品で、床の間や茶室などに掛けて楽しむものです。各部の名称を知って、順番に従って正しく掛けることで美しさを長期間保つことができます。 掛け軸は絵や文字が描かれた本紙(ほんし)と、それを飾る表具(ひょうぐ)から構成されます。表具には本紙の上下についている天地(てんち)、本紙の左右についている中廻(ちゅうまわし)など様々なものがあります。 掛け軸を箱から出したら、畳に置いた状態で絵の上端あたりまで開き、風帯を伸ばします。風帯とは、一番上の八双(はっそう)から垂れ下がる細長い布や紙の飾りです。八双は半円形の木製の棒です。 次に矢筈(やはず)という竿を掛緒(かけお)に引っかけて持ち上げ、床の間の金具に引っかけます。掛緒は床の間に掛けるための紐です。 矢筈を抜き、静かに軸棒を両手で持って下ろしたら、最後に風鎮(ふうちん)というオモリを左右の軸先にぶら下げます。軸棒は巻く時の芯になる部分です。